【歌詞対訳】”Buzzcut Season” / Lorde
デビュー・アルバム『ピュア・ヒロイン』(Pure Heroine, 2013)に収録。ロードはニュージーランド出身のシンガーソングライター。1996年生まれだから、デビュー当時16歳かそこらということになる。はじめてこの人のデビュー作を聴いたとき、とんでもない才能が出てきたなと感じた。いわゆる早熟な天才型の例として、われわれには全盛期を過ぎてもなお真のアーティストとして別格の存在感を放ち続ける宇多田ヒカルがいるわけだが、少なくとも部分的には宇多田に勝るとも劣らない才能の持ち主だと思う。サウンド的には当時流行っていたジ・エックス・エックスとかジェームズ・ブレイクの流れを汲むものなんだけど、こういう抜きの美学的な音はセンスが本当によくないとできないものだし、何より歌詞のオリジナリティがすごい。ロードといえば何よりもまずZ世代の価値観を高らかに宣言する「ロイヤルズ」で有名なんだけど、この曲もまた何回聴いても飽きがこない。"I live in a hologram with you"というフレーズが秀逸。テレビに映るどこか違う世界の出来事、作られたきらびやかな虚像に比してみすぼらしい自分たちの暮らし、でも友だちとバカ騒ぎをするこの時間さえあれば現実を忘れていられる……。そんな歌だと僕は解釈している。
“Buzzcut Season" (Written by Ella Yelich O’Connor and Joel Little)I remember when your head caught flame
It kissed your scalp and caressed your brain
Well you laughed
baby it’s okay
It’s buzzcut season anyway
「バズカット・シーズン」
あなたの頭が燃えたときのことを覚えてる
炎はあなたの頭皮にキスをし、脳を愛撫した
あなたは笑った
ベイビー、だいじょうぶ
いまはバズカット・シーズン(丸刈りの季節)なんだから
Explosions on TVAnd all the girls with heads inside a dream
So now we live beside the pool
Where everything is good
テレビに映る爆発
それから夢に頭をつっこんだすべての女の子たち
だから私たちはプールのそばで暮らしてる
そこでは何もかもが素晴らしいの
We ride the bus with the knees pulled inPeople should see how we’re living
Shut my eyes
To the song that plays
Sometimes this has a hot sweet taste
私たちは膝を抱えてバスに乗る
私たちがどんなふうに生きてるか人々は知るべきよ
目をとじて
流れる音楽に耳を澄ませる
こうするとときどき甘辛い味がする
The men up on the news,They try to tell us all
That we
Will lose
But it’s so easy
in this blue
Where everything is good
ニュースを読む男性たち
彼らは私たちみんなに伝えようとする
私たちが
何を失うことになるのかを
でもこの青の中では
とっても気楽でいられる
そこでは何もかもが素晴らしいの
And I’ll never go home again(Place the call, feel it start) Favorite friend
And nothing’s wrong when nothing’s true-
I live in a hologram with you
We’re all the things that we do for fun
(And I’ll breathe, and it goes) Play along
Make believe it’s hyper real-
But I live in a hologram with you
私はもう二度と家には帰らない
(呼び出しボタンを押して、始まりを感じて)大好きな友だちよ
何も正しくなければ何も間違ってやしない
私はあなたとホログラムの中で生きている
私たちは 私たちがふざけてやるすべてのことでできてる
(息をする、それは去っていく)楽しくやろう
それはハイパーリアルだとみせかけよう
でも私はあなたとホログラムの中で生きている
Cola with the burnt out tasteI’m the one you tell your fears to
There’ll never be enough of us
燃えつきた味のするコーラ
私はあなたが不安を打ち明けるその人
私たちだけでもう十分ってことには決してならない
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