【歌詞対訳】”It’s a Fire” / Portishead
デビュー・アルバム『ダミー』(Dummy, 1994)に収録。イギリス・ブリストルで結成されたベス・ギボンズ、ジェフ・バーロウ、エイドリアン・アトリーの3人から成る音楽グループ。もうジャケットからして怖い。聴いてみるとホラー映画のBGMを背景に、ほとんど血の気のない女が悲痛な叫び声をあげている。夏だし、肝試し的なものをと思ってポーティスヘッドを引っ張りだしてみたが、いまだにこの手のサウンドが好きな自分がいる。セカンド・アルバム『ポーティスヘッド』(Portishead, 1997)はさらに暗く沈鬱になっていて、まさに狂気と紙一重の作品。こんな異常なものを作ると後が続かないのは誰にもわかっている話で、それから11年の沈黙を経て2008年にリリースされたサード・アルバム『サード』(Third)(そのまんま(笑))はノイ!やカンといったジャーマン・ロックからの影響を彼ら流に消化した、まさに掛け値なしの傑作だった。
これら3枚の作品を僕は定期的に取り出して聞いているが、初めて聞いたときの衝撃という意味ではやはりこのファーストを挙げるほかない。その中でも"It’s a Fire"は特に好きな曲だ。コロナのせいで世界中の人たちがマスクをするようになったが、"I can’t breathe through this mask"が別の意味で現実になってしまった。どこを見ても人々はみんなマスクで顔をおおっている。それも世界中で。あとになって振り返れば、そんな現実のほうがよっぽどホラーである。
“Its A Fire"(written by Geoff Barrow, Beth Gibbons and Adrian Utley)It’s a fire
These dreams, they pass me by
The salvation I desire
Keeps getting me down
灯火
これらの夢は私を通り過ぎていく
救いを求めても
気分が沈んでいくだけ
‘Cause we need toRecognise mistakes
For time and again
私たちはあやまちに
気づかなくてはいけないから
何度も何度も
So let it be known for what we believe inI can see no reason for it to fail
Cos this life is a farce
I can’t breathe through this mask
Like a fool
So breathe on, sister breathe on
私たちが信じるもののために知らしめよう
上手くいかない理由なんて私にはわからない
だってこの人生は道化芝居だから
こんな仮面をつけていては息ができない
愚か者みたいね
だから息をして、妹よ、息をし続けて
From this oneselfTestify or tell
It’s fooling us now
この自己から
証言する あるいは 語る
それは私たちをあざ笑っている
So let it be known for what we believe inI can see no reason for it to fail
‘Cause this life is a farce
I can’t breathe through this mask
Like a fool
So breathe on, little sister, breathe on
Ohh so breathe on, little sister, like a fool
私たちが信じるもののために知らしめよう
上手くいかない理由なんて私にはわからない
だってこの人生は道化芝居だから
こんな仮面をつけていては息ができない
愚か者みたいね
だから息をして、小さな妹よ、息をし続けて
息をして、小さな妹よ、愚か者みたいに
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