【歌詞対訳】”Neighborhood#4 (7 Kettles)” / Arcade Fire

2024年7月31日

デビュー・アルバム『フューネラル』(Funeral, 2004)に収録。ネイバーフッド組曲の最後を飾る曲。“Neighborhood#3 (Power Out)"が雪に閉ざされ、停電に見舞われた町についてのヘヴィなナンバーだったのに対し、この曲はもとの穏やかな日常が取り戻されていく町の様子を表現しているようだ。エレキからアコギが主体になっているし、ストリングスによるヤカンが沸騰するときの音がなんとも暖かい感じ。僕はふだん電気ケトルを使っていてヤカンを沸かすことはないのだけど、寒いところでヤカンを沸かしたり、ストーヴを焚いたりする描写は心まで暖かくなるようで好きだ(最近の猛暑には参ってしまうけれど。息をするのも苦しいくらいの暑さだ)。

“Neighborhood #4 (7 Kettles)”(written by Arcade Fire)

I am waiting ‘til I don’t know when

‘Cause I’m sure it’s gonna happen then

Time keeps creeping through the neighborhood,

Killing old folks, waking up babies, just like we knew it would

All the neighbors are starting up a fire

Burning all the old folks, the witches and the liars

My eyes are covered by the hands of my unborn kids

But my heart keeps watching through the skin of my eyelids

「ネイバーフッド#4(7つのヤカン)」

僕は待ち続けていて、いつなのかわからなくなった

きっとそれは起こるだろうとわかっているから

時間が近所じゅうにしのびこみ、

老人たちを殺し、赤ん坊たちを起こし続ける、そうなるだろうと僕たちはわかってたさ

隣人たちはみな火を熾しているところだ

すべての老人たち、それに魔女たちや嘘つきどもを燃やす

僕は僕の生まれてこなかった子どもたちの手に目隠しされている

でも僕の心はまぶたの皮膚を通してじっと見つづけているんだ

They say a watched pot won’t ever boil

Well, I closed my eyes and nothing changed

Just some water getting hotter in the flames

鍋を見つめていても決して湧くことはないという*

それはそれとして、僕は目をとじてみたけど何も変わらなかった

炎の中でただいくらかの水が温まっていくだけ

*A watched pot won’t ever boil (A watched pot never boils):ことわざ。「鍋を見つめているとなかなか湧かない」というところから「待つ身は長い、焦っても仕方がない」を意味する。

It’s not a lover I want no more

And it’s not heaven I’m pining for

But there’s some spirit I used to know,

That’s been drowned out by the radio!

恋人、それは僕がもう望まないもの

それに天国にも思いこがれてはいない

でもかつて僕が知っていたスピリットがある

もうラジオにかき消されてしまったけれど!

They say a watched pot won’t ever boil

You can’t raise a baby on motor oil

Just like a seed down in the soil, you gotta give it time

鍋を見つめていても決して湧くことはないという

モーターオイルで赤ん坊を育てることはできない

土の下で眠る種のように、それに時間をかけてやらなくちゃ