【歌詞対訳】”Ready to Start” / Arcade Fire
サードアルバム『ザ・サバーブズ』(The Suburbs, 2010)からのサード・シングル。デビュー当時から批評家受けするバンドだったが、このアルバムでついに全英・全米1位まで登りつめた。僕自身も間違いなく彼らの最高傑作だと考えているし、なんなら2010年代で一番好きなアルバムを選べといわれたら、このアルバムの名前を挙げるかもしれない。ポストパンクというよりもむしろ60年代風の古いロックンロールやフォークが、彼ら特有のカラフルなサウンドプロダクションと、「郊外」というテーマのもと、うまい具合にかみ合っている。さながら僕たちの世代の『ペットサウンズ』だ。LCDサウンドシステムのジェームズ・マーフィーと組んで一気にダンスサウンドに走った次作の『リフレクター』(Reflektor)も個人的には大好きなのだけれど、正直、これはアーケード・ファイアではないよな、という感じ。残念ながら、『ザ・サバーブズ』をピークに彼らは自分たちの持ち味を薄めていき、無理にメジャー感を出そうとしたのか、妙にノリばかりを重視したサウンドを追求していくことになった。
“Ready to Start"はひと言でいえば決意の歌だ。随所にちりばめられた寓意も含めて、聴き手によってどうとでも解釈できるようになっており、その意味ではオアシスの"Don’t Look Back in Anger"なんかに似ているかもしれない。
“Ready to Start" (written by William Butler, Win Butler, Régine Chassagne, Jeremy Gara, Tim Kingsbury, Richard Reed Parry)If the businessmen drink my blood
Like the kids in art school said they would
Then I guess I’ll just begin again
You say, “can we still be friends?”
「レディ・トゥ・スタート」
もしビジネスマンたちが僕の血を飲むとしたら
あいつらはやるよ、とアートスクールの学生たちは言っていた
それなら僕はもう一度始めるかもしれないな
君は言う、「私たちはまだ友達でいられる?」
If I was scared, I wouldAnd if I was bored, you know I would
And if I was yours, but I’m not
もし僕が怖がっていたら、やるよ
もし僕が退屈していたら、やるよ わかってるだろ
もし僕が君のものだったら…でもそうじゃないな
All the kids have always knownThat the emperor wears no clothes
But they bow to down to him anyway
It’s better than being alone
子どもたちはみんなとっくに知っている
皇帝は何も身に着けていないと*
でもとにかく頭を下げてしまうんだ
一人ぼっちでいるよりはましだからね
*アンデルセンの童話「裸の王様」に由来する表現。歌詞にあるとおり本来は「皇帝」だが、日本では「王様」と訳されて普及している。
If I was scared, I wouldAnd if I was bored, you know I would
And if I was yours, but I’m not
もし僕が怖がっていたら、やるよ
もし僕が退屈していたら、やるよ わかってるだろ
もし僕が君のものだったら…でもそうじゃないな
Now you’re knocking at my doorSaying please come out with us tonight
But I would rather be alone
Than pretend I feel alright
いま君は僕のドアをたたいている
お願い、今夜私たちといっしょに来てと言いながら
でも僕は大丈夫だってふりをするより
むしろ一人でいたんだ
If the businessmen drink my bloodLike the kids in art school said they would
Then I guess I’ll just begin again
You say, “can we still be friends?”
もしビジネスマンたちが僕の血を飲むとしたら
あいつらはやるよ、とアートスクールの学生たちは言っていた
それなら僕はもう一度始めるかもしれないな
君は言う、「私たちはまだ友達でいられる?」
If I was scared, I wouldAnd if I was pure, you know I would
And if I was yours, but I’m not
もし僕が怖がっていたら、やるよ
もし僕が純粋だったら、やるよ わかってるだろ
もし僕が君のものだったら…でもそうじゃないな
Now I’m ready to start
いま僕は始める準備ができた
If I was scared, I wouldAnd if I was pure, you know I would
And if I was yours, but I’m not
もし僕が怖がっていたら、やるよ
もし僕が純粋だったら、やるよ わかってるだろ
もし僕が君のものだったら…でもそうじゃないな
Now I’m ready to start
いま僕は始める準備ができた
Now I’m ready to startI would rather be wrong
Than live in the shadows of your song
My mind is open wide
And now I’m ready to start
いま僕は始める準備ができた
君の歌の影のなかで生きるより
むしろ僕は間違っていたいんだ
僕の心はすっかりオープンになっている
そしていま僕は始める準備ができている
Now I’m ready to startMy mind is open wide
And now I’m ready to start
You’re not sure you’ll open the door
To step out into the dark
Now I’m ready
いま僕は始める準備ができた
僕の心はすっかりオープンになっている
いま僕は始める準備ができた
闇の中へと出ていくために
ドアを開けるか
君は決めかねている
いま僕は準備ができている
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