【歌詞対訳】”Don’t Look Back in Anger” / Oasis
セカンドアルバム『モーニング・グローリー』((What’s the Story) Morning Glory?, 1995)に収録。この曲のメロディはイギリスではたぶん国歌と同じレベルで知れ渡っているのではないか。90年代のイギリスでは、グランジをはじめとするアメリカのインディー・オルタナ勢が音楽シーンを席巻していて、純粋な英国産の音楽は陰りを見せていたが、ブラー、そしてこのオアシスの登場によって一気にブリット・ポップ・ムーヴメントが沸き起こることとなった。オアシスの音楽は言ってみれば何も尖ったところはない「普通」の音楽である。しかし、周囲を見渡せばブラーだの、レディオヘッドだの、ひとクセある新人ばかりという状況で、なんか小難しいインテリ向けの音楽ばっかりでムカつく! スカッとさせろや!と感じていたであろう労働者階級を中心に熱烈に受け入れられた。…
ここまでの書きぶりでわかると思うが、僕はあまりオアシスが好きではない。ファンの方には申し訳ないが、史上最大のハイプはこのバンドではないかとすら感じている。だってビートルズへのリスペクトを公言していて、実際この曲も出だしは「イマジン」だし、ジョンとヨーコのベッドインをちらつかせたりしているのに、肝心の実験精神ではブラーやレディオヘッドに勝てる要素がないじゃないですか。安易にビートルズ風味にすれば受け入れられるとでも思っているのがいけ好かない。単なるスカッとするロックンロールを求めているのなら、それこそ初期のビートルズやローリング・ストーンズ、フーなんかを聴いているほうが僕は気分が高揚する。貴重な高校時代をザ・スミス、レディオヘッド、ニルヴァーナに捧げてしまった自分は、洋楽初心者御用達かつ陽キャの代名詞たるオアシスは数曲いいなと思えるものはあっても、バンドとしてはどうやっても好きになれない。あ、でも同じマンチェスター出身のストーン・ローゼズはめちゃめちゃ好き。
“Don’t Look Back in Anger" (written by Noel Gallagher)
Slip inside the eye of your mind
Don’t you know you might find
A better place to play?
You said that you’d never been
But all the things that you’ve seen
Slowly fade away
「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」
自分の心の目の中に降りていってみろよ
わからないのかい もっといい遊び場を
見つけられるかもしれないってことを
そんな場所には行ったことないと君は言ったね
でも君が目にしてきたあらゆる物事は
ゆっくりと色あせていくんだ
So I start a revolution from my bed
’Cause you said the brains I had went to my head
Step outside, summertime’s in bloom
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face
You ain’t ever gonna burn my heart out
だから俺はベッドから革命を起こすんだ*1
あなたは自分の知性にうぬぼれていると君が言ったから*2
外に出てみろよ、夏の時間はいまが盛りだ
暖炉のわきに立ってくれ
そんな顔をするのはよせよ
君のせいで俺の心が燃え尽きることは絶対にない
*1 So I start a revolution from my bed: ジョン・レノンとオノ・ヨーコのベッド・インを連想させる。
*2 the brains I had went to my head: “go to one’s head”((俗)…が~をうぬぼれさせる)を踏まえたフレーズ。
*[Chorus]
And so, Sally can wait
She knows it’s too late as we’re walking on by
Her soul slides away
But ‘Don’t look back in anger,’ I heard you say
*コーラス
だから、サリーはまだ待てるんだ
彼女にはもう手遅れだとわかっている 俺たちは歩き去っていくのだから
彼女の魂はしだいに離れていく
でも「怒って振りかえらないで」って君が言うのが聞こえたんだ
Take me to the place where you go
Where nobody knows
If it’s night or day
Please don’t put your life in the hands
Of a rock ‘n’ roll band
Who’ll throw it all away
君が行くところへ俺を連れていってくれ
誰も知らないところへ
昼でも夜でもかまわない
頼むからロックンロールバンドの
手に人生をゆだねることはしないでくれ
誰がそれをすっかり捨ててしまえるのか
I’m gonna start a revolution from my bed
’Cause you said the brains I had went to my head
Step outside, ’cause summertime’s in bloom
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face
’Cause you ain’t ever gonna burn my heart out
だから俺はベッドから革命を起こしてやる
あなたは自分の知性にうぬぼれていると君が言ったから
外に出てみろよ、夏の時間はいまが盛りだ
暖炉のわきに立ってくれ
そんな顔をするのはよせよ
君のせいで俺の心が燃え尽きることは絶対にない
*[Chorus]
And so, Sally can wait
She knows it’s too late as she’s walking on by
My soul slides away
But ‘Don’t look back in anger,’ I heard you say
*コーラス
だから、サリーはまだ待てるんだ
彼女にはもう手遅れだとわかっている 俺たちは歩き去っていくのだから
彼女の魂はしだいに離れていく
でも「怒って振りかえらないで」って君が言うのが聞こえたんだ
*[Chorus]
So, Sally can wait
She knows it’s too late as we’re walking on by
Her soul slides away
But ‘Don’t look back in anger,’ I heard you say
So, Sally can wait
She knows it’s too late as she’s walking on by
My soul slides away
But ‘Don’t look back in anger
Don’t look back in anger’
I heard you say
‘At least not today’
*コーラス
だから、サリーはまだ待てるんだ
彼女にはもう手遅れだとわかっている 俺たちは歩き去っていくのだから
彼女の魂はしだいに離れていく
でも「怒って振りかえらないで」って君が言うのが聞こえたんだ
だから、サリーはまだ待てるんだ
彼女にはもう手遅れだとわかっている 俺たちは歩き去っていくのだから
俺の魂はしだいに離れていく
でも「怒って振りかえらないで
怒って振りかえらないで」
「少なくとも今日は」
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