【歌詞対訳】”Don’t Look Back in Anger” / Oasis

2024年11月16日

セカンドアルバム『モーニング・グローリー』((What’s the Story) Morning Glory?, 1995)に収録。この曲のメロディはイギリスではたぶん国歌と同じレベルで知れ渡っているのではないか。90年代のイギリスでは、グランジをはじめとするアメリカのインディー・オルタナ勢が音楽シーンを席巻していて、純粋な英国産の音楽は陰りを見せていたが、ブラー、そしてこのオアシスの登場によって一気にブリット・ポップ・ムーヴメントが沸き起こることとなった。オアシスの音楽は言ってみれば何も尖ったところはない「普通」の音楽である。しかし、周囲を見渡せばブラーだの、レディオヘッドだの、ひとクセある新人ばかりという状況で、なんか小難しいインテリ向けの音楽ばっかりでムカつく! スカッとさせろや!と感じていたであろう労働者階級を中心に熱烈に受け入れられた。…

ここまでの書きぶりでわかると思うが、僕はあまりオアシスが好きではない。ファンの方には申し訳ないが、史上最大のハイプはこのバンドではないかとすら感じている。だってビートルズへのリスペクトを公言していて、実際この曲も出だしは「イマジン」だし、ジョンとヨーコのベッドインをちらつかせたりしているのに、肝心の実験精神ではブラーやレディオヘッドに勝てる要素がないじゃないですか。安易にビートルズ風味にすれば受け入れられるとでも思っているのがいけ好かない。単なるスカッとするロックンロールを求めているのなら、それこそ初期のビートルズやローリング・ストーンズ、フーなんかを聴いているほうが僕は気分が高揚する。貴重な高校時代をザ・スミス、レディオヘッド、ニルヴァーナに捧げてしまった自分は、洋楽初心者御用達かつ陽キャの代名詞たるオアシスは数曲いいなと思えるものはあっても、バンドとしてはどうやっても好きになれない。あ、でも同じマンチェスター出身のストーン・ローゼズはめちゃめちゃ好き。

“Don’t Look Back in Anger" (written by Noel Gallagher)

Slip inside the eye of your mind

Don’t you know you might find

A better place to play?

You said that you’d never been

But all the things that you’ve seen

Slowly fade away

「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」

自分の心の目の中に降りていってみろよ

わからないのかい もっといい遊び場を

見つけられるかもしれないってことを

そんな場所には行ったことないと君は言ったね

でも君が目にしてきたあらゆる物事は

ゆっくりと色あせていくんだ

So I start a revolution from my bed

’Cause you said the brains I had went to my head

Step outside, summertime’s in bloom

Stand up beside the fireplace

Take that look from off your face

You ain’t ever gonna burn my heart out

だから俺はベッドから革命を起こすんだ*1

あなたは自分の知性にうぬぼれていると君が言ったから*2

外に出てみろよ、夏の時間はいまが盛りだ

暖炉のわきに立ってくれ

そんな顔をするのはよせよ

君のせいで俺の心が燃え尽きることは絶対にない

*1 So I start a revolution from my bed: ジョン・レノンとオノ・ヨーコのベッド・インを連想させる。

*2 the brains I had went to my head: “go to one’s head”((俗)…が~をうぬぼれさせる)を踏まえたフレーズ。

*[Chorus]

And so, Sally can wait

She knows it’s too late as we’re walking on by

Her soul slides away

But ‘Don’t look back in anger,’ I heard you say

*コーラス

だから、サリーはまだ待てるんだ

彼女にはもう手遅れだとわかっている 俺たちは歩き去っていくのだから 

彼女の魂はしだいに離れていく

でも「怒って振りかえらないで」って君が言うのが聞こえたんだ

Take me to the place where you go

Where nobody knows

If it’s night or day

Please don’t put your life in the hands

Of a rock ‘n’ roll band

Who’ll throw it all away

君が行くところへ俺を連れていってくれ

誰も知らないところへ

昼でも夜でもかまわない

頼むからロックンロールバンドの

手に人生をゆだねることはしないでくれ

誰がそれをすっかり捨ててしまえるのか

I’m gonna start a revolution from my bed

’Cause you said the brains I had went to my head

Step outside, ’cause summertime’s in bloom

Stand up beside the fireplace

Take that look from off your face

’Cause you ain’t ever gonna burn my heart out

だから俺はベッドから革命を起こしてやる

あなたは自分の知性にうぬぼれていると君が言ったから

外に出てみろよ、夏の時間はいまが盛りだ

暖炉のわきに立ってくれ

そんな顔をするのはよせよ

君のせいで俺の心が燃え尽きることは絶対にない

*[Chorus]

And so, Sally can wait

She knows it’s too late as she’s walking on by

My soul slides away

But ‘Don’t look back in anger,’ I heard you say

*コーラス
だから、サリーはまだ待てるんだ

彼女にはもう手遅れだとわかっている 俺たちは歩き去っていくのだから 

彼女の魂はしだいに離れていく

でも「怒って振りかえらないで」って君が言うのが聞こえたんだ

*[Chorus]

So, Sally can wait

She knows it’s too late as we’re walking on by

Her soul slides away

But ‘Don’t look back in anger,’ I heard you say

So, Sally can wait

She knows it’s too late as she’s walking on by

My soul slides away

But ‘Don’t look back in anger

Don’t look back in anger’

I heard you say

‘At least not today’

*コーラス

だから、サリーはまだ待てるんだ

彼女にはもう手遅れだとわかっている 俺たちは歩き去っていくのだから 

彼女の魂はしだいに離れていく

でも「怒って振りかえらないで」って君が言うのが聞こえたんだ

だから、サリーはまだ待てるんだ

彼女にはもう手遅れだとわかっている 俺たちは歩き去っていくのだから 

俺の魂はしだいに離れていく

でも「怒って振りかえらないで

怒って振りかえらないで」

君がそう言うのが聞こえたんだ

「少なくとも今日は」