【歌詞対訳】”Ironic” / Alanis Morissette
アルバム『ジャギッド・リトル・ピル』(Jagged Little Pill, 1995)に収録。アラニス・モリセットはカナダ・オンタリオ州出身のシンガーソングライター。僕はアヴリル・ラヴィーンの世代なのだが、同じカナダ出身のシンガーではアラニスの方が好きだ。「ユー・オウタ・ノウ」("You Oughta Know")に象徴される個人的な怒りをまき散らしまくりの鬼気迫るボーカルスタイルは、ここ日本でも椎名林檎、矢井田瞳といった多くのフォロワーを生んだ。1990年代はニルヴァーナやデビュー当時のベックといったザラついていて殺伐とした音楽が受け入れられた一方で、もう一方ではシャナイア・トウェイン、シェリル・クロウ、フィオナ・アップルといった私小説家的な女性ミュージシャンがつぎつぎに登場した時代でもある。具体例を挙げつつ「これって皮肉じゃない?」と感じたままに問いかけ、自分の考えを表現する「アイロニック」のスタイルは、まさに90年代女性アーティスト的であるように思う。アラニスはこんなふうに説教臭いところがあって、僕は個人的にそこが好きだ。
“Ironic" (written by Alanis Morissette, Glen Ballard)
An old man turned ninety-eight
He won the lottery and died the next day
It’s a black fly in your Chardonnay
It’s a death row pardon two minutes too late
And isn’t it ironic… don’t you think
「アイロニック」
ある老人が98歳になった
彼は宝くじに当たり、翌日亡くなった
それはあなたのシャルドネに浮かんだブヨ
それは2分だけ遅れた死刑囚棟への恩赦の知らせ
これって皮肉でしょ… そう思わない?
*[Chorus]
It’s like rain on your wedding day
It’s a free ride when you’ve already paid
It’s the good advice that you just didn’t take
Who would’ve thought… it figures
*コーラス
それはあなたの結婚式当日に降る雨のよう
それはすでに運賃を払ったあとのただ乗り
それはただあなたが受け取らなかった良いアドバイス
当然のようにこうなると誰が思っただろう…*
*who would’ve thought:このフレーズ単体だと「誰が思っただろう?⇒信じられない」という驚きを表す。it figuresは「当然である、理にかなっている」といった意味。
Mr. Play It Safe was afraid to fly
He packed his suitcase and kissed his kids goodbye
He waited his whole damn life to take that flight
And as the plane crashed down he thought
“Well isn’t this nice…”
And isn’t it ironic… Don’t you think
ミスター・プレイ・イット・セーフ(安全第一の男)は飛ぶのを怖れていた
スーツケースに荷物をつめて子どもたちにさよならのキスをした
彼はただその便に乗るために生涯待ち続けたのだった
飛行機が墜落するとき 彼は思った
「まったく素晴らしいじゃないか…」
これって皮肉でしょ… そう思わない?
*[Chorus]
It’s like rain on your wedding day
It’s a free ride when you’ve already paid
It’s the good advice that you just didn’t take
Who would’ve thought… it figures
*コーラス
それはあなたの結婚式当日に降る雨のよう
それはすでに運賃を払ったあとのただ乗り
それはあなたがただ受け取らなかった良いアドバイス
当然のようにこうなると誰が思っただろう…
Well life has a funny way of sneaking up on you
When you think everything’s okay and everything’s going right
And life has a funny way of helping you out when
You think everything’s gone wrong and everything blows up
In your face
人生はおかしなやり方であなたにしのびよる
すべてが申し分なく、すべてが順調に進んでいると思えるときに
人生はおかしなやり方であなたに救いの手をさしのべる
すべてがうまくいかず、すべてが自分の面汚しになると思えるときに*
*blow up in one’s face「台無しになって~の面目をつぶす」
A traffic jam when you’re already late
A no-smoking sign on your cigarette break
It’s like ten thousand spoons when all you need is a knife
It’s meeting the man of my dreams
And then meeting his beautiful wife
And isn’t it ironic…don’t you think
A little too ironic…and, yeah, I really do think…
すでに遅刻しているときにはまってしまう渋滞
タバコで一息つこうとすると目にとまる禁煙のサイン
それはたった一本のナイフが必要なときに一万本のスプーンがあるようなもの
それは夢にまで見た理想の男に出会い
それから彼に美しい妻がいると知ること
これって皮肉でしょ… そう思わない?
ちょっと皮肉すぎるんじゃない… そうよ、ほんとにそう思う…
*[Chorus]
It’s like rain on your wedding day
It’s a free ride when you’ve already paid
It’s the good advice that you just didn’t take
Who would’ve thought… it figures
*コーラス
それはあなたの結婚式当日に降る雨のよう
それはすでに運賃を払ったあとのただ乗り
それはあなたがただ受け取らなかった良いアドバイス
当然のようにこうなると誰が思っただろう…
Life has a funny way of sneaking up on you
Life has a funny, funny way of helping you out
Helping you out
人生はおかしなやり方であなたにしのびよる
人生はおかしなやり方であなたに救いの手をのばす
救いの手をのばす
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません