【歌詞対訳】”Seven Nation Army” / The White Stripes
2003年の4thアルバム『エレファント』(Elephant)からの1stシングル。ホワイト・ストライプスの代名詞といえる曲。歌詞はサッカーとなんの関係もないのだけど、歌い出しがいきなりケンカ腰でファイティング・スピリットを漂わせているせいか、また一度聞いたら決して忘れられない中毒性マックスのリフのせいなのか、欧米ではサッカーの試合でこの曲の大合唱が起こる。2000年代前半のガレージロック・リヴァイヴァルは個性豊かなロックグループを多数世に放ったが、その中でもひときわ異彩を放つ存在で、最小限の構成で鳴らされるそのサウンドはパンキッシュかつブルージーで、パワフル。
世の中にはそのジャンルに興味があるのなら、好きとか嫌いの問題ではなく一度はふれておかないと話にならないだろうという巨匠が存在する。漫画だったら手塚治虫、アニメだったら宮崎駿とか。個人的に、21世紀のロックだったらホワイト・ストライプスなんじゃないかと思う。ブルーズとロックの融合という意味ではクリームという偉大な先例があるのだけど、ジャック・ホワイトはその混ぜ合わせ方に才気がほとばしっている。才能のかたまり。天才とは思わないけど正真正銘の奇才。彼は僕らの世代の本物のギターヒーローである。メグ・ホワイトの素人そのもののドラミングが批判されることもあるが、これは宮崎駿がプロの声優を嫌って素人を積極的に使いたがる感性といっしょ。案外この二人は話をしたら気が合うんじゃないかな。
“Seven Nation Army" (written by Jack White)
I’m gonna fight ’em off
A seven nation army couldn’t hold me back
They’re gonna rip it off
Taking their time right behind my back
And I’m talking to myself at night
Because I can’t forget
Back and forth through my mind
Behind a cigarette
「セヴン・ネイション・アーミー(七か国の軍隊)」
やつらなんか打ち倒してやるぞ
セヴン・ネイション・アーミーなんかに押さえつけられる俺じゃない
俺の知らないところでじっくりと
やつらは盗み取っていくんだ
夜になると俺はぶつぶつ独り言を言う
忘れられないからさ
心の中をいったりきたり
一本のタバコを隠れみのにして
And the message coming from my eyes says, “Leave it alone”
目から入ってくるメッセージには、「ほっとけ」と書いてある
Don’t wanna hear about it
Every single one’s got a story to tell
Everyone knows about it
From the Queen of England to the hounds of hell
And if I catch it coming back my way
I’m gonna serve it to you
And that ain’t what you want to hear
But that’s what I’ll do
その話は聞きたくない
どいつもこいつもみんな何か話したがるんだ
みんなそれは知ってる
イギリスの女王陛下から地獄の番犬まで
俺のところに戻ってくるのをつかめたら
お前によこしてやるよ
そんなのを聞きたいんじゃないだろう
でも俺がやるのはそういうことさ
And the feeling coming from my bones says, “Find a home”
骨からやってくる感情が、「家を見つけろ」と言ってる
I’m going to Wichita
Far from this opera forevermore
I’m gonna work the straw
Make the sweat drip out of every pore
And I’m bleeding, and I’m bleeding, and I’m bleeding
Right before the lord
All the words are gonna bleed from me
And I will think no more
ウィチタに行くんだ*1
今後永久に、このオペラから遠く離れて
畑仕事をやろうかな
あらゆる毛穴から汗をしたたらせるんだ*2
神の真ん前で
俺は血を流してるよ、血を、血を
すべての言葉が俺からにじみ出てくるだろう
そしてもうこれ以上は考えない
*1 Wichita「ウィチタ」(アメリカ・カンザス州アーカンソー川に臨む都市)
*2 I’m gonna work the straw… pore:workは他動詞で「~を動かす、働かせる」の意味。strawは「麦わら」だが、俗語で「マリファナ」を意味するため、「ヤクをやろうかな」という解釈もできる。
And the stains coming from my blood tell me “Go back home”
俺の血でできた染みが、「家に帰れ」と言ってる
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