【歌詞対訳】”You Know I’m No Good” / Amy Winehouse
2006年のセカンドアルバム『バック・トゥ・ブラック』(Back to Black)からの2ndシングル。エイミー・ワインハウスはロンドン出身のシンガーソングライター(1983~2011)。1960年代のR&Bやソウルを現代風に解釈したサウンドと、一度聴いたら決して忘れられない個性的な歌声で唯一無二といっていい存在感を放つ。ラジオで「リハブ」("Rehab")を最初に耳にしたときは、きっとこれはだれかアメリカの黒人シンガーが歌っているんだなと思ったが、本当はイギリスの若い白人シンガーだと知って衝撃を受けた思い出がある。昔はブルーアイド・ソウルっていう言葉もあったけど、エイミーにはブルーアイド(「青い眼をした」というところから白人を意味する)なんていう形容は不要だ。ジャンルがなんであれ、この人の歌にはまぎれもなく魂が宿っているのだから。アデルもすばらしいシンガーだけど、2000年以降に現れたイギリスの女性シンガーで最も傑出しているのはエイミーの他にはいないと断言できる。もとより破滅的な生き方しかできない人だったのだろうけど、27クラブに仲間入りすることになってしまったのは本当に残念。きっと、ジャニス・ジョプリンをリアルタイムで経験した世代の人たちも同じような気持ちになっただろうと思う。
“You Know I’m No Good" (written by Amy Winehouse)
Meet you downstairs in the bar and heard
Your rolled up sleeves and your skull t-shirt
You say, ‘What did you do with him today?’
And sniffed me out like I was Tanqueray
’Cause you’re my fella, my guy
Hand me your Stella and fly
By the time I’m out the door
You tear me down like Roger Moore
「ユー・ノウ・アイム・ノー・グッド」
階下のバーであんたに会って話を聞いた
あんたのまくり上げた袖にスカルTシャツ
あんたは言う、「今日あいつと何をやった?」
それからタンカレーの匂いでもするかのように私のことを嗅ぎまわった*1
あんたは私のツレだからさ、マイ・ガイ*2
ステラをちょうだいよ、ハイになりたいの*3
ドアの外に出る頃には
あんたは私をロジャー・ムーアみたいに引き裂いてしまう*4
*1 Tanqueray:英国Charles Tanquery & Co., Ltd製のジン
*2 fella =fellow. 特にboyfriendを意味する。
*3 Stella「ステラ・アルトワ」(ベルギーのルーヴェンで醸造されるピルスナービール)
*4 Roger Moore:ロジャー・ムーア(映画『007』シリーズのジェームズ・ボンド役で知られるイギリスの俳優)
*[Chorus]
I cheated myself
Like I knew I would
I told you, I was trouble
You know that I’m no good
*コーラス
私は自分をあざむいた
そうするとわかっていたみたいに
言ったでしょ、私は厄介だって
私はちっともいい人間じゃないからね
Upstairs in bed with my ex boy
He’s in a place but I can’t get joy
Thinking on you in the final throes
This is when my buzzer goes
Run out to meet you, chips and pitta
You say, ‘When we’re married’ ’cause you’re not bitter
‘There’ll be none of him no more,’
I cried for you on the kitchen floor
階上のベッドで元カレと寝る
彼は心得てるけど、喜びは得られない
最後の苦痛の中、あんたのことを考える
私のブザーが鳴るのはこういう時よ
走ってあんたに会いに行く、チップス&ピタ
あんたは言う、「俺たちが結婚したら」あんたは意地悪じゃないからね
「あいつのことはこれ以上出てこないだろ」
私は台所の床であんたを求めて泣いた
*[Chorus]
I cheated myself
Like I knew I would
I told you I was trouble
You know that I’m no good
*コーラス
私は自分をあざむいた
そうするとわかっていたみたいに
言ったでしょ、私は厄介だって
私はちっともいい人間じゃないからね
Sweet reunion, Jamaica and Spain
We’re like how we were again
I’m in the tub, you on the seat
Lick your lips as I soak my feet
Then you notice the carpet burn
My stomach drops and my guts churn
You shrug and it’s the worst
Who truly stuck the knife in first
素敵な再会ね、ジャマイカとスペインのよう
もう一度昔の私たちに戻ったみたい
私はバスタブにつかってて、あんたは椅子に座ってる
脚をお湯につけながらあんたの唇をなめる
それからあんたは擦り傷に気づく*1
私は心底肝を冷やす*2
あんたは肩をすくめる 最悪
最初にグサっとやったのはほんとに誰なのよ*3
*1 carpet burn:カーペットでこすれることによってできた擦過傷。激しい性行為を暗示する。
*2 My stomach drops and my guts churn:直訳すると「胃が落っこちて、はらわたがひっくり返る。」非常に驚いた様子を表す。
*3 Who truly stuck the knife in first: “stick (put) the knife in”は「(すでに精神的に弱っている人に)意地悪なことを言う、敵意をぶつける」の意味。
*[Chorus]
I cheated myself
Like I knew I would
I told you I was trouble
You know I’m no good
*コーラス
私は自分をあざむいた
そうするとわかっていたみたいに
言ったでしょ、私は厄介だって
私はちっともいい人間じゃないからね
*[Chorus]
I cheated myself
Like I knew I would
I told you I was trouble
Yeah, you know that I’m no good
*コーラス
私は自分をあざむいた
そうするとわかっていたみたいに
言ったでしょ、私は厄介だって
私はちっともいい人間じゃないからね
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