【歌詞対訳】”DLZ” / TV On the Radio

2025年3月1日

サード・アルバム『ディアー・サイエンス』(Dear Science, 2008)に収録。TV・オン・ザ・レディオは2001年にニューヨークで結成されたインディーロックバンド。デイヴ・シーテック、トゥンデ・アデビンペ、キップ・マローン、ジャリール・バントンの4人(ジェラルド・スミスというベーシストがいたが、2011年に肺がんにより他界)。

TVOTRは僕が大学時代にリアルタイムで熱心に聴いていたバンドだ。思い返せばゼロ年代はインディーシーンが今と比べものにならないほど活気づいていた時代だった。ストロークス、インターポール、ヤー・ヤー・ヤーズ、フランツ・フェルディナンド、ブロック・パーティ、フォールズ、グリズリー・ベア、ブロークン・ソーシャル・シーン……。どれも素晴らしかった。

その中でもTVOTRは革新性という点でずば抜けていたと思う。一言でいえば音楽のごった煮。ロック、ファンク、ブルース、R&B、ソウル、ヒップホップ、民族音楽、エレクトロニカを全部混ぜて聴きやすいポップソングを作るというのは正気の沙汰ではない。そんなプリンスにしかできないような仕事を涼しい顔でやってのけたのが彼らだった。最高に知的でフィジカルな感覚に溢れた音作り。僕はそこにポップ・ミュージックの未来を見ていた……。ただ、マニアックすぎたために一般受けはせず、2014年の『シーズ』(Seeds)を最後に事実上の活動停止状態に陥ってしまった。僕なんかはいまだに活動を再開して新作を出してくれないかなと期待しているのだが。

“DLZ" (written by Tunde Adebimpe)

Congratulations on the mess you made of things

On trying to reconstruct the air and all that brings

And oxidation is the compromise you own

But this is beginning to feel like the dog wants her bones saved

「DLZ」

おめでとう あなたはこの状況をメチャクチャにしてくれた

空気とそれがもたらすものすべてを作り変えようとしてくれた*

そして酸化はあなたの認める妥協案だ

でもこれは まるで自分の骨をとってもらいたがっている雌犬みたいな気がしてきた

*二行目のOn以下は一行目のCongratulationsとつながっている。

You force your fire and then you falsify your deeds

Your methods dot the disconnect from all your creeds

As fortune strives to fill the vacuum that it feeds

But this is beginning to feel like the dog’s lost her lead

あなたは爆撃を強行し、それからその行為を偽る

あなたのやり方は自らの信条とのつながりを断つものだ

幸運はそれ自身が養う空白を満たそうと努める

でもこれは まるでリードを失った雌犬みたいな気がしてきた

This is beginning to feel like the long

Winded blues of the never

This is beginning to feel like it’s curling up slowly

And finding a throat to choke

これはまるで 決して肯定されぬ者たちの

息の長いブルースのような気がしてきた

これはまるで ゆっくりと螺旋状にうねり、締め上げるための喉を

見つけようとしているような気がしてきた

This is beginning to feel like the long

Winded blues of the never

Barely controlled locomotive consuming the picture

And blowing the crows, the smoke

これはまるで 決して肯定されぬ者たちの

息の長いブルースのような気がしてきた

この状況を壊滅させ、烏たちや煙を吹き飛ばす

ほぼ制御不能な機関車

This is beginning to feel like the long

Winded blues of the never

Static explosion devoted to crushing the broken

And shoving their souls to ghost

これはまるで 決して肯定されぬ者たちの

息の長いブルースのような気がしてきた

傷ついた者たちを木っ端微塵にし、その魂を幽霊に押しつけるべく

生み出された静的爆発

Eternalised.

Objectified.

You set your sights so high

But this is beginning to feel

Like the bolt busted loose from the lever

永遠のものとなった。

正当なものとなった。

あなたは目に映るものをすごく高く打ち上げた

でもこれはまるで ゆるくなったボルトがレバーから

弾け飛ぶみたいな気がしてきた

Never mind

Death professor

Your structure’s fine

My dust is better

Your victim flies so high

All to catch a bird’s eye view of who’s next

気にすることはないよ

死の教授デス・プロフェッサー

あなたの構造は素晴らしい

だが俺の塵のほうがましさ

あなたの犠牲は空高く舞っている

次は誰かと鳥瞰するすべてのもの

Never you mind

Death professor

Love is life, my love is better

Your victim flies so high

Eyes could be the diamonds

Confused with who’s next

気にすることはないよ

死の教授デス・プロフェッサー

愛こそが命であって、俺の愛のほうがましさ

あなたの犠牲は空高く舞っている

目は次の犠牲と混同された

ダイヤモンドになるかもしれない

Never you mind

Death professor

Your shocks are fine

My struts are better

Your fiction flies so high

Y’all could use a doctor

Who’s sick, who’s next?

気にすることはないよ

死の教授デス・プロフェッサー

あなたのショックは素晴らしい

だが俺の気取った歩き方のほうがましさ

あなたの虚構は空高く舞っている

あなた方はみんな医者に診てもらえばいい

病気なのは誰だ? 次は誰だ?

Never you mind

Death professor

Electrified, my love is better

It’s crystallized, so’m I

All could be the diamond

Fused with who’s next

気にすることはないよ

死の教授デス・プロフェッサー

電気を帯びれば、俺の愛のほうがましさ

結晶になったぜ、同じく俺もな

すべては次の犠牲と結合した

ダイヤモンドになるかもしれない

This is beginning to feel like the dawn of the luz of forever

This is beginning to feel like the dawn of the luz of forever

This is beginning to feel like the dawn of the luz of forever

これはまるで永遠のルースの誕生のような気がしてきた*

これはまるで永遠のルースの誕生のような気がしてきた

これはまるで永遠のルースの誕生のような気がしてきた

*luz:スペイン語で「光」の意味。