【歌詞対訳】”Family Tree” / TV On The Radio
サードアルバム『ディアー・サイエンス』(Dear Science, 2008)に収録。TV・オン・ザ・レディオはまちがいなくゼロ年代のアメリカン・インディーロック・シーンにおいて、もっともユニークかつ刺激的なサウンドを展開していた音楽家集団だったといっていい。「だった」というのは、5作目のアルバム『シーズ』(Seeds, 2014)のリリースおよびツアーを最後にほぼ活動休止におちいっているからだが、昨年9月からライブは再開しているらしい。ただし、バンドの頭脳であるデイヴ・シーテックは不在とのことで(理由不明)、当分のあいだ新作のリリースは期待できないんじゃないかと思っている。
そうなると、過去のマスターピースを延々と聞くことになるのだが、彼らのマスターピースの最たるものは『ディアー・サイエンス』に決まっている。リスナーのテンションをとことんぶち上げにかかる粒ぞろいの楽曲がそろうなかで、この「ファミリー・ツリー」はちょっと信じがたいほど美しい曲だ。シーテックの手による清涼感満点の、人工的な音処理はフィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドの手法と同じで、正直続けて聞くにはしんどいな、という過剰さが含まれている。しかし、この曲はストリングスまで入った豪華絢爛な音がトゥンデの歌とよく調和していて、いやらしさを感じない。
“Family Tree" (written by Tunde Adebimpe)Anda my love
Wake up to your window
The day calls in billows
It’s echoing moonlight onto the blue night
Mare of your heart
In cozy red rainbow
It’s shaking off halos
And the memory of our sacred so and so’s
「ファミリー・ツリー」
愛する人よ
目を覚まして窓を見てごらん
日の光が海原を呼び寄せる
それは青い夜にふりそそぐ谺のような月光
穏やかな赤い虹につつまれた
きみの心をおおう悪夢
それは光輪をふりおとしている
それから僕たちの神聖なる誰それの記憶
Oh, take my hand sweetComplete your release unbury your feet
And married we’ll be
Alone in receiving ours is a feeling not that they would see
They don’t know that we could be
Down where your cradle escaped the sea
And your raven-haired mama caught told you so’s
おお、僕の手をとってくれ、いとしい人
自分を完璧に解放し、その足を地面から掘り出すんだ
そうして結婚しよう
二人きりで僕たちの運命を受け入れる それは人にわかる感情じゃない
だれも僕たちがたどりつけることを知らないんだ
きみのゆりかごが海を逃れた場所へと
きみのカラスの髪をしたとらわれの母さんはきみにこう言ったね
We’re laying in the shadow of your family treeYour haunted heart and me
Brought down by an old idea whose time has come
And in the shadow of the gallows of your family tree
There’s a hundred hearts or three
Pumping blood to the roots of evil to keep them young
僕たちはきみの先祖と子孫の影のなかに横たわっている
きみの憑かれた心と僕は
最後の時がおとずれた旧い考えにうち倒されている
きみの先祖と子孫の絞首台の影のなかには
百あるいは三つの心がある
それらは悪の根源に血を送って、いつまでも若く保っている
Ah me all mineIs it safe to say that we’ve waited patiently?
Call me on time
And recall the tune that has placed us gracefully
All into line
There’s a garden grave and a place there saved for me
I fall by your side
Though your silver-haired mama throws told-you so’s
ああ悲しい、僕のすべてよ
僕たちは辛抱強く待ったといっても大丈夫だろうか?
時間どおりに僕を呼んでくれ
僕たちを優雅にひとつの家系におしこめた歌を
思い出すんだ
墓園があって、そこには僕のための場所がとってある
僕はきみのそばに眠る
きみの銀色の髪をした母さんは「そう言っただろ」って言うけれど
We’re laying in the shadow of your family treeYour haunted heart and me
Brought down by an old idea whose time has come
And in the shadow of the gallows of your family tree
There’s a hundred hearts or three
Pumping blood to the roots of evil to keep them young
僕たちはきみの先祖と子孫の影のなかに横たわっている
きみの憑かれた心と僕は
最後の時がおとずれた旧い考えにうち倒されている
きみの先祖と子孫の絞首台の影のなかには
百あるいは三つの心がある
それらは悪の根源に血を送って、いつまでも若く保っている
Now we’re gathered in the shadow of your family treeIn halted harmony
Brought down by an old idea whose time has come
And in the shadow of the valley of your family tree
There’s a hundred hearts or three
Pumping blood to the roots of Eden to keep us young
いま僕たちはきみの先祖と子孫の影のなかに集まっている
中断した調和のなかで
最後の時がおとずれた旧い考えにうち倒されている
きみの先祖と子孫の谷の影のなかには
百あるいは三つの心がある
それらはエデンの根元に血を送って、僕たちを若く保っている
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません