【歌詞対訳】”It Never Rains in Southern California” / Albert Hammond

デビューアルバム『カリフォルニアの青い空』(It Never Rains in Southern California, 1972)のタイトルトラック。アルバート・ハモンドといえば世間的にはこの曲をもって知られている。近い年代だと69年に前川清(内山田洋とクール・ファイブ名義)の「長崎は今日も雨だった」が出ているが、雨をモチーフにすればこういう湿っぽい方向にいくのが昭和歌謡的感性というもの。八代亜紀の「雨の慕情」(1980)とかね。それに、さだまさしの「雨やどり」(1977)みたいなユーモラスなのもあれば、八神純子の「みずいろの雨」(1978)みたいな昭和歌謡的感性からあきらかに逸脱しているものがあったりと、湿潤な国だけあって雨の描き方もバラエティ豊かだ。

タイトルだけみればさわやかな感じのするこの曲も、いざ聞いてみれば若者の苦労話、雨が降らないどころか「どしゃ降り」である。ひところはラジオでよくかかっていたというのもわかる気がする。その後、ハモンドは困窮を脱して「風のララバイ」("Your World and My World")や「落ち葉のコンチェルト」("For the Peace of All Mankind")といった美しい楽曲が日本でもよく知られるまでになったのだった。ちなみに息子のアルバート・ハモンド・ジュニアもまたミュージシャンで、ザ・ストロークスのギタリストを務めている。

“It Never Rains in Southern California”

 (written by Albert Hammond and Mike Hazelwood)

Got on board a westbound 747

Didn’t think before deciding what to do

Oh, that talk of opportunities, TV breaks and movies

Rang true, sure rang true

「カリフォルニアの青い空」

西へ向かうボーイング747に乗った

なにをやりたいか決めるまでは考えもしないことだった

ああ、チャンスがいっぱいあるとか、テレビでブレイクするとか映画出演とか

そんな話は本物のように、まさに本物のように聞こえたんだ*

*ring「(言葉・約束などが)…のように聞こえる」の過去形

Seems it never rains in southern California

Seems I’ve often heard that kind of talk before

It never rains in California

But girl, don’t they warn ya?

It pours, man, it pours

なんでも南カリフォルニアでは雨が降らないらしい

そういう話は昔なんども聞いたっけな

カリフォルニアでは雨は降らない

でもねえちゃん、忠告されなかったかい?

どしゃ降りだよ、まったく、どしゃ降りになるんだよ

Out of work, I’m out of my head

Out of self respect, I’m out of bread

I’m underloved, I’m underfed

I wanna go home

仕事はないし、頭は変になる

自尊心はなくなるし、おまんまだって食い上げだ*

愛は不足してるし、栄養だってそうだ

もう帰りたいよ

*out of bread「(俗)仕事にあぶれて」

It never rains in California

But girl, don’t they warn ya?

It pours, man, it pours

カリフォルニアでは雨は降らない

でもねえちゃん、忠告されなかったかい?

ここらはどしゃ降りさ、まったく、どしゃ降りになるんだよ

Will you tell the folks back home I nearly made it?

Had offers but don’t know which one to take

Please don’t tell 'em how you found me

Don’t tell 'em how you found me

Gimme a break, give me a break

故郷にいる家族にもうちょいでうまくいきそうだと伝えてくれないかい?

いくつかオファーはあったけど、どれを選べばいいかわからないんだ

どうやっておれを見つけたかは言わないでくれ

どうやっておれを見つけたのかは*

休ませてくれよ、すこし休息がほしいんだ

*ロンドンにいたときに一時期ハモンドは困窮して駅前で物乞いをしていた。そこで運悪くハネムーンで旅行に来ていたいとこに見つかってしまい、どうか父親には黙っていてくれと懇願したという赤っ恥エピソードにもとづく。

Seems it never rains in southern California

Seems I’ve often heard that kind of talk before

It never rains in California

But girl, don’t they warn ya?

It pours, man, it pours

なんでも南カリフォルニアでは雨が降らないらしい

そういう話は昔なんども聞いたっけな

カリフォルニアでは雨は降らない

でもねえちゃん、忠告されなかったかい?

どしゃ降りだよ、まったく、どしゃ降りになるんだよ