【歌詞対訳】”Star” / Mitski

2026年8月17日

7作目のアルバム『ザ・ランド・イズ・インホスピタブル・アンド・ソー・アー・ウィ』(The Land Is Inhospitable and So Are We, 2023)からの2ndシングル。このアルバムは「Bug like an Angel」の地に堕ちた虫(≒天使)や「Buffalo Replaced」の居場所をうばわれていくバッファローのように、地上の存在をモチーフにした曲ではじまる。それから、「When Memories Snow」の思い出として降る雪、それに「Heaven」の天国、「My Love Mine All Mine」の月、そしてこの「Star」のように、視線がおもいきり上向きになるモチーフの曲も含まれていて、まさにミツキ・ランドといった構成。視線を上げてはじめて、The Land Is Inhospitable…というアルバム名に込められた象徴的意味に注意がいく。

ミツキの歌う恋は、基本的にいつも終わった恋である。恋が終わったあとに、あれはなんだったのだろうと、しみじみふりかえることが多い。この曲の場合、愛は星のようなもので、終わりを迎えたあとも顔をあげればそこできらきら光っている。「I’ll keep a leftover light / Burning」(keep OC:OをCのままにする)のleftoverがちょっとおかしい。というのは、leftoverはふつう「残った食べ物」を指して使うことが多いことばだからだ。あたかも、愛(≒星)をあらかた食べてしまって、残された光というようなニュアンスを帯びるのである。ミツキはまた、こういうなにげない箇所に印象的なフックを仕込むことが多い作詞家でもあるだろう。

“Star” (written by Mitski Miyawaki)

Remember when we met

We acted like two fools

We were so glad

So glad to have found it

「スター」

出会ったころを憶えてる

私たちはふたりでバカみたいにはしゃいでた

よろこびに満ちていた

知ることができて

That love is like a star

It’s gone

We just see it shining

It’s traveled very far

I’ll keep a leftover light

Burning

So you can keep looking up

Isn’t that worth holding on

あの愛はお星さまみたいなもの

もう行ってしまった

光っているのがみえる

すごく遠くまで旅をしたのね*1

私は残った光を

燃やしつづける

ずっとあなたが見上げていられるように*2

それは耐えるだけの値打ちがあるんじゃない

*1 travelはもちろん「旅する」という意味の動詞だが、光や音などが主語になる場合はたんに「伝わる、進む」を表すことが多い。しかしながら、ここでは詩的なかんじを出したくて意図的に「旅する」の意味でとった。

*2 So (that) you can…のthatが省略されている(このように、thatは口語だとたいてい省略される)。so that SVはここでは「…が~できるように」の意味。

You know I’d always been alone

Till you taught me

To live for somebody

ねえ私はいつだってさびしかった

だれかのために生きることを

あなたに教わるまで

That love is like a star

It’s gone

We just see it shining

'Cause it’s traveled very far

I’ll keep a leftover light

Burning

So you can keep looking up

I am yours no matter

That love’s gone

We just see it shining

We’ve travеled very far

I’ll keep a leftovеr light

Burning

So you can keep looking up

Isn’t that worth holding on

あの愛はお星さまみたいなもの

もう行ってしまった

光っているのがみえる

すごく遠くまで旅をしたのだから

私は残った光を

燃やしつづける

ずっとあなたが見上げていられるように

私はあなたのもの 愛が終わったこととは

関係なく

ただ光っているのがみえる

私たちはすごく遠くまで旅をした

私は残った光を

燃やしつづける

ずっとあなたが見上げていられるように

それは耐えるだけの値打ちがあるんじゃない