稲田豊史

稲田豊史『映画を早送りで観る人たち　ファスト映画・ネタバレ―コンテンツ消費の現在形』（光文社新書、2022）

2023年2月13日ブックレビュー

2024年2月7日

あまり流行っている本には手を出したくないけれど、この本は自分自身が日々感じている問題とも関わりがあるから読んでみた。「現代ビジネス」に連載された9本の記事がもとになっているということで、章によっては互いに重なり合う記述があったり、やや ...

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Kenny

宮崎県在住。1992年生まれ。僕は洋楽が何より好きだ。映画『ハイ・フィデリティ』に登場する中古レコード屋の店主ロブは自分自身のレコードをchronological（年代順）でもalphabetical（アルファベット順）でもなくautobiographical、つまり自伝順に並べている。それにならって僕も自分の洋楽遍歴を紹介するとしよう。自分自身について語るのはむずかしいが、好きなものについて語るのはたやすい。

中学時代：ビートルズを聴いて洋楽に目覚める。しかし『サージェント・ペパーズ』なんていうものは理解できず、あくまで初期のストレートなロックンロールが好み。他にはローリング・ストーンズやエリック・クラプトンを聴く。当然ながら同年代とは話が合わない。

高校時代：レッド・ツェッペリンやディープ・パープル、クイーンといったハードロックにはまる。興味の赴くままに洋楽を聞き漁り、ザ・スミス、レディオヘッド、ニルヴァーナに心酔する（遅れてやってきた中二病）。また、わかりもしないのにジャズを聴きはじめる。

大学時代：アメリカのインディーロックに傾倒する。特によく聴いたのはザ・ナショナルとTV・オン・ザ・レディオ。しかしその反動なのか、卒業前にはモラトリアムを脱する人間の虚無感からボブ・ディランやレナード・コーエンを聴いて、これまたわかりもしないのに「深いなあ」などとつぶやいたりする。

現在：オールディーズやジャズ・ボーカルの魅力に気づく。ジューン・クリスティやジュリー・ロンドンが自分にとってのアイドルである。ちょっと面白い感じの新人を発掘したり、コロナ時代になっても「まだまだ若いもんには負けん！」って感じで頑張っているビッグネームたちの新譜を聴くのも楽しいね。

稲田豊史『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ―コンテンツ消費の現在形』（光文社新書、2022）

稲田豊史『映画を早送りで観る人たち　ファスト映画・ネタバレ―コンテンツ消費の現在形』（光文社新書、2022）