【歌詞対訳】”Rylan” / The National

2024年2月7日

アルバム『アイ・アム・イージー・トゥ・ファインド』(I Am Easy to Find, 2019)より。『ボクサー』(Boxer, 2007)から『ハイ・ヴァイオレット』(High Violet, 2010)くらいの時期に書かれた曲で、ファンのあいだでも非常に人気が高い曲。ザ・ナショナルらしいポエティックで謎めいた歌詞、耳から離れないスムーズでメランコリックなメロディライン、歌詞とリンクしたおだやかな陽光を思わせるアレンジと、どこをとってもザ・ナショナルらしさであふれていて一分の隙もない。特に歌詞については、ネットでの様子をみる限りたぶん彼らの曲のなかでいちばん熱く議論されているのではないか。

ライランという名前の自閉性をかかえた子どもについての歌のようだが、たとえば"Say that you’re a pervert, you’re a vulture / Don’t you wanna be popular culture?"の部分をみると性的欲求や強欲、野心や自己顕示欲といった我々の普遍的な性質に言及しているようにも思えるし、pervert, vulture, popular cultureで単にことば遊び([p][v]の音が響き、[ʌ́lʧər]で韻を踏む)をしているだけにも思える。ついでにいえばculture vultureは「文化人気取り、文化(芸術)を食い物にするやつ」のことだ。"Eat your pearls on Sunday morning"は『ティファニーで朝食を』のこと?と思ってみたり。こういう歌詞をみていると、マット・バーニンガーはシュールレアリスティックな詩人としてもじゅうぶん通用するだろうという気がしてくる。

“Rylan” (written by Aaron Dessner, Bryce Dessner and Matt Berninger)

Rylan you should try to get some sun

You remind me of everyone

Rylan did you break your mother’s heart

Every time you tried to play your part

「ライラン」

ライラン きみはもっと日の光を浴びたほうがいいよ

きみを見ているといろんな人のことを思い出す

ライラン きみはお母さんの心を傷つけてしまったのかい

自分の役割を演じようとするそのたびに

Is it easy to keep so quiet?

Everybody loves a quiet child

Underwater you’re almost free

If you wanna be alone come with me

そんなに静かにしているのは簡単なことなのかな?

みんな静かな子が大好きなんだ

水の中ではきみはほとんど自由になれる

ひとりになりたかったら僕といっしょに来るんだ

Rylan we can take the quick way out

We can turn blank-white in a blank-white house

Say that you’re a pervert, you’re a vulture

Don’t you wanna be popular culture?

ライラン 僕たちは手っ取り早い出口を使うこともできる

まっ白な家のなかでまっ白になってもいい

言ってごらんよ 自分は変態だ、ハゲタカ(ヴァルチャー)だって

なってみたいと思わないかい ポピュラー・カルチャーに?

Is it easy to keep so quiet?

Everybody loves a quiet child

Underwater you’re almost free

If you wanna be alone come with me

そんなに静かにしているのは簡単なことなのかな?

みんな静かな子が大好きなんだ

水の中ではきみはほとんど自由になれる

ひとりになりたかったら僕といっしょに来てごらん

Is it easy to live inside yourself?

All the little kids are high and hazy

Everybody’s got nowhere to go

Everybody wants to be amazing

内に閉じこもって生きていくのは簡単なことなのかな?

すべての小さな子たちはハイでヘイジーになってる*

みんなどこへも行く場所がない

みんなアメージングになりたがってる

*hazy かすみがかった、ぼんやりとした

Rylan California’s rotten

Dress light blue to be forgotten

Eat your pearls on Sunday morning

Keep your conversations boring

Stay with me among the strangers

Change your mind and nothing changes

Don’t let show any emotion

When you climb into the ocean

ライラン カリフォルニアは腐ってるよ

ライトブルーの服を着て忘れさられよう

日曜日の朝には真珠を食べて

会話は退屈なままにしておくんだ

見知らぬ人たちのなかでは僕といっしょにいてくれ

考えを変えてもなにも変わりはしない

海のなかへ這って進んでいくときは

どんな感情もみせてはいけない

Rylan you should try to get some sun

There’s a little bit of hell in everyone

Rylan you should try to get some sun

You remind me of everyone

Rylan you should try to get some sun

There’s a little bit of hell in everyone

Rylan you should try to get some sun

ライラン きみはもっと日の光を浴びたほうがいいよ

誰にでもちょっとした地獄はあるものさ

ライラン きみはもっと日の光を浴びたほうがいいよ

きみを見ているといろんな人のことを思い出す

ライラン きみはもっと日の光を浴びたほうがいいよ

誰にでもちょっとした地獄はあるものさ

ライラン きみはもっと日の光を浴びたほうがいいよ