【歌詞対訳】”We’re All Alone” / Boz Scaggs

2024年2月7日

AORの金字塔『シルク・ディグリーズ』(Silk Degrees, 1976)からの一曲。ビリー・ジョエルの「オネスティ」("Honesty")と同じで、日本ではボズといえばこの曲というほど有名だが、本国アメリカではそれほどでもない。70年代後半は歌謡曲全盛の時代だった。でも、そもそも歌謡曲からJ-POPの時代になっても日本人の音楽の聴き方は相変わらずメロディ偏重だし、こうした美メロなバラードは僕も含めていかにも日本人好みという感じがする。その一方で、歌詞は非常に難解というか、歌っているボズ本人もどこまでの意図を込めていたのかよくわからない。

“We’re All Alone" (Written by Boz Scaggs)

Outside the rain begins

And it may never end

So cry no more

On the shore a dream

Will take us out to sea

For ever more

For ever more

外では雨が降り出す

それは決して止まないかもしれない

だからこれ以上泣かないで

浜ではひとつの夢が

僕たちを海へと連れ出すだろう*

永遠に

永遠に

*(put (out / off ) to sea「出帆する、陸地を離れる」を踏まえたフレーズ。直前に"On the shore"とあるのでここでは「海」と訳したが、無冠詞のseaは「ここではないどこか、別の世界」とも解釈しうるものである。

Close your eyes, amie

And you can be with me

‘Neath the waves

Through the caves of hours

Long forgotten now

We’re all alone

We’re all alone

瞳をとじるんだ 恋人よ(アミ)

そうしたら君は僕といっしょになれる

波の下で

忘れられて久しい

時間の洞窟を通り抜けて

僕たち二人きりだね

僕たち二人きりだね

*amiはフランス語で「友人」の意味。ここではamieと女性形になっているので、恋人の性別は女性である。

Close the window

Calm the light

And it will be all right

No need to bother now

Let it out, let it all begin

Learn how to pretend

窓を閉めて

明かりを落とそう

そうしたら大丈夫だよ

もう思い煩うこともない

気持ちを言葉にして、また始めよう

見せかけるやり方を学ぶんだ

Once a story’s told

It can’t help but grow old

Roses do, lovers too, so cast

Your seasons to the wind

And hold me dear

Oh hold me dear

物語は一度語られると
どうしても古びていってしまう
薔薇もそう、恋人たちも同じ、だから
風に向かって君の季節を投げるんだ
そして僕を抱いてくれ、大切な人
僕を抱いてくれ

Close the window

Calm the light

And it will be all right

No need to bother now

Let it out, let it all begin

All’s forgotten now

We’re all alone

All alone

窓を閉めて

明かりを落とそう

そうしたら大丈夫だよ

もう思い煩うこともない

気持ちを言葉にして、また始めよう

すべてはもう忘れられてしまった

僕たち二人きりだね

二人きりだね

Close the window

Calm the light

And it will be alright

No need to bother now

Let it out, let it all begin

Throw it to the wind my love

Hold me dear

窓を閉めて

明かりを落とそう

そうしたら大丈夫だよ

もう思い煩うこともない

気持ちを言葉にして、また始めよう

風に向かって投げるんだ、恋人よ

僕を抱きしめてくれ

All’s forgotten now my love

We’re all alone….

すべてはもう忘れられてしまった、恋人よ

僕たちは二人きりだね