【歌詞対訳】”I’ll Still Destroy You” / The National

2024年3月17日

7枚目のアルバム『スリープ・ウェル・ビースト』(Sleep Well Beast, 2017)からの4thシングル。ザ・ナショナル史上もっともレディオヘッドっぽい曲でもある。マットとカリンのあいだにはアイラ(Isla)という娘がいるが、この歌詞のインスピレーション源は彼女なのではないか。「これはまるで君の妹の親友たちみたいだ」の節がとにかく好きだ。リリカルでノスタルジックで、あたたかみがある。毎朝5時に同じ行を読みつづけ、ライターが見つからず気が狂ってしまいそうな歌い手。マットはつねに歌詞の中で家族との関係が壊れてしまう恐怖と戦っているように思える。

“I’ll Still Destroy You" (written by Aaron Dessner, Matt Berninger and Bryce Dessner)

It’s so easy to set off

The molecules and the caplets

They all have something against me

Nothing I do makes me feel different

「アイル・スティル・デストロイ・ユー」

分子とカプレットを

飛ばすのはすごく簡単だ

それらはみな何か僕に逆らうものがある

何をしても気分は変わらない

This one’s like your sister’s best friends

In a bath calling you to join them

Can’t avoid them

This one’s like your mother’s arms

When she was young and sunburned in the ’80s

It lasts forever

これはまるで君の妹の親友たちみたいだ

お風呂に入っていて、いっしょに入ろうって呼びかけてるんだ

避けることはできないね

これはまるで君のお母さんの両腕みたいだ

80年代の、若くて日焼けしてた頃の

永遠に続くんだ

The more level they have me

The more I cannot stand me

I have helpless friendships

And bad taste in liquids

それらが僕を冷静にすればするほど

僕は自分に耐えられなくなる

僕にあるのは救いがたい友情と

液体の苦い味

This one’s like the wilderness

Without the world I’m gonna miss

Those longs nights with the windows open

I keep re-reading the same lines

Always up at 5:00 am every morning

Like a baby

これはまるで荒れ野みたいだ

世界がなくなったら、窓をあけて

僕はあの長い夜を恋しく思うだろう

毎朝きまって5時に

僕は同じ行を繰り返し読み続ける

赤ん坊みたいに

It’s just the lights coming on

It’s just the lights coming on

それはただの近づいてくる光

それはただの近づいてくる光

I have no positions

No point of view or vision

I’m just trying to stay in touch with

Anything I’m still in touch with

僕には立ち位置がない

視点も見通しも

まだふれていられるものすべてに

ただふれていようとしているだけだ

The sky is getting white

I can’t find a lighter anywhere I’m going crazy

But I’m not crazy

Put your heels against the wall

I swear you got a little bit taller since I saw you

I’ll still destroy you

空が白みはじめる

どこにもライターが見つからなくて、僕は頭がおかしくなっていく

でも頭がおかしくなんかない

かかとを壁につけてごらんよ

最後にあったときからほんのちょっとだけ背が伸びたね

僕はまだ君を台無しにしてしまうだろう

It’s just the lights coming on

It’s just the lights coming on

それはただの近づいてくる光

それはただの近づいてくる光