【歌詞対訳】”Red” / Taylor Swift
4枚目のアルバム『レッド』(Red, 2012)のタイトルトラック。再録盤もある。前回ザ・ナショナルの"The Alcott (feat. Taylor Swift)"を訳してみたので、ついでに。代表曲のひとつであり、自らの失恋を直喩や色彩で表現した歌詞はリアリティにあふれている。
世界的なポップアイコンたるテイラー・スウィフトのプロフィールについてはもはや説明不要なので、個人的に思うところを書いておく。僕がテイラーをはじめて自分の意志で聴いたのは5枚目の『1989』(1989, 2014)だったが、流行っているからまあチェックしとくか、みたいな消極的な理由からだった。ポップアルバムとしてはとてもよくできていて、なるほど、これは売れますわという感じ。それ以上でもそれ以下でもない。自分の中で評価が変わったのは2020年の『フォークロア』(folklore)からだ。アーロン・デスナーがプロデュースに関わっており、アメリカン・インディーロックの重鎮たるザ・ナショナルとの結びつきを得たのもこの頃。僕はザ・ナショナルのファンだが、そのことを抜きにしても、このアルバムはすばらしい。一つひとつの楽曲で表現されている感情は純粋そのもので、これはポップスターの頂点に上り詰めた人がやることではないし、できることでもない。これはむしろインディーファンに歓迎される作風であり、それまでのポップ路線が好きだった人たちはだいぶん離れていったんじゃないかとか思うけれども。
“Red” (Written by Taylor Swift)Loving him is like driving a new Maserati
Down a dead-end street
Faster than the wind, passionate as sin,
Ending so suddenly
Loving him is like trying to change your mind
Once you’re already flying through the free fall
Like the colors in autumn, so bright, just
Before they lose it all
彼を愛するのは新車のマセラティで
行き止まりになっている通りを駆けていくのに似ている
風よりも速く、罪のように情熱的で、
とつぜん終わりを迎える
彼を愛するのは
すでに自由落下に踏み切っている人の
考えを変えさせようとするのに似ている
すべてを失ってしまう直前の
とても輝かしい秋の色のよう
Losing him was blue, like I’d never knownMissing him was dark gray, all alone
Forgetting him was like trying to know
Somebody you never met
But loving him was red
Loving him was red
彼を失うのはブルーだった、いま初めて知る気持ち
彼を恋しく思うのはダークグレーだった、まったくの一人ぼっち
彼を忘れるのは会ったこともない誰かを
知ろうとするみたいだった
でも彼を愛するのはレッドだった
彼を愛するのはレッドだった
Touching him was like realizing all you ever wantedWas right there in front of you
Memorizing him was as easy as knowing all the words
To your old favorite song
Fighting with him was like trying to solve a crossword
And realizing there’s no right answer
Regretting him was like wishing you never found out
That love could be that strong
彼に触れるのはずっと求めていたすべてのものが
まさに目の前にあると気づくのに似ていた
彼を記憶するのは慣れ親しんだ大好きな歌の
歌詞を知っているのと同じくらい簡単だった
彼とケンカするのはクロスワードパズルを解こうとして
正しい答えなどないのだと気づくのに似ていた
彼を後悔するのは愛がこんなにも強くなりうるということを
知りたくないと願うのに似ていた
Losing him was blue, like I’d never knownMissing him was dark gray, all alone
Forgetting him was like trying to know
Somebody you never met
But loving him was red
Oh, red
Burning red
彼を失うのはブルーだった、いま初めて知る気持ち
彼を恋しく思うのはダークグレーだった、まったくの一人ぼっち
彼を忘れるのは会ったこともない誰かを
知ろうとするみたいだった
でも彼を愛するのはレッドだった
そう、レッド
燃えるような赤色
Remembering him comes in flashbacks and echoesTell myself it’s time now gotta let go
But moving on from him is impossible
When I still see it all in my head
In burning red
Burning, it was red
彼の記憶はフラッシュバックとエコーとともにやってくる
もう終わりにしないといけない時間だと自分に言い聞かせる
でも彼から先に進んでいくことは不可能なんだ
いまでも頭のなかにはっきりと見えるのだから
燃えるような赤色に包まれて
燃えている、それはレッドだった
Oh, losing him was blue, like I’d never knownMissing him was dark gray, all alone
Forgetting him was like trying to know
Somebody you never met
‘Cause loving him was red
Yeah, yeah, red
Burning red
ああ、彼を失うのはブルーだった、いま初めて知る気持ち
彼を恋しく思うのはダークグレーだった、まったくの一人ぼっち
彼を忘れるのは会ったこともない誰かを
知ろうとするみたいだった
だって彼を愛するのはレッドだったから
そうよ、レッド
燃えるような赤色
And that’s why he’s spinning ‘round in my headComes back to me, burning red
Yeah, yeah
His love was like driving a new Maserati down
a dead-end street
だから彼はわたしの頭のなかをぐるぐるまわっている
私のもとへ戻ってくる、赤く燃えながら
そうよ
彼の愛は新車のマセラティで
行き止まりになっている通りを駆けていくみたいだった
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