【歌詞対訳】”I Fought the Law” / The Bobby Fuller Four
ザ・ボビー・フラー・フォーは1962年にテキサス州エル・パソで結成されたロックンロール・バンド。1979年のザ・クラッシュのカバーが特に知られているだろう。原曲はザ・クリケッツのメンバーであったソニー・カーティスによるもの。リヴァプール出身の4人組がアメリカにはThe Crickets(コオロギ)がいるんだから、俺たちはThe Beatles(beetle(甲虫)+beat)で行こうぜとなったのは有名な話。1959年2月3日、ザ・クリケッツのボーカリストであったバディ・ホリーが小型機墜落事故で亡くなるという悲劇が起きた。この小型機にはまたリッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパーという若い人気ロックンローラーも同乗していたが、バディとともに帰らぬ人となった。このことから、59年2月3日は「音楽が死んだ日」と呼ばれている。50年代後半から60年代はじめにかけてアメリカのロックンロールは本格的に死を迎えつつあったが(注)、この暗黒時代を象徴する最も衝撃的な出来事であった。しかし、これがのちのブリティッシュ・インヴェイジョンにつながっていき、ビートルズをはじめとするイギリス勢がアメリカに進出する端緒を開いた。ロックンロールがロックに移り変わっていく過程には、かようなドラマが存在した。
ボビー・フラー・フォーはそういった時期に活躍したバンドだが、残念なことに、フロントマンのボビー・フラーもまたわずか23歳の若さでこの世を去った。数か月前に、覆面をした若者が白昼堂々と強盗に手を染めるという出来事が世間の注目を集めたが、世の中が不安定だとこの曲のように暴走する若者が増えるのかもしれない。若気の至りでは済まされないので、フラストレーションは大音量でロックでも聴いて発散すればいいのに、と自分なんかは思うのだが。
(注)リトル・リチャードは音楽業界から一時引退し(57年)、ジェリー・リー・ルイスは重婚騒動で表舞台を去り(58年)、エルヴィス・プレスリーは軍隊に入り(60年)、チャック・ベリーは少女と性的関係を持ち入獄した(62年)。
“I Fought the Law" (Written by Sonny Curtis)I’m breakin’ rocks in the hot sun
I fought the law and the law won
I fought the law and the law won
熱い太陽の下 おれは岩を砕いている
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
I needed money ‘cause I had noneI fought the law and the law won
I fought the law and the law won
金が必要だったんだ 文無しだったから
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
I left my baby and I feel so badI guess my race is run
But she’s the best girl I’ve ever had
I fought the law and the law won
I fought the law and the law won
恋人のもとを去ってひどい気持ちさ
もうおれの運は尽きちまったんだろう
でも彼女はいままでで一番の女さ
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
Robbin’ people with a six-gunI fought the law and the law won
I fought the law and the law won
6連発拳銃で強盗をやった
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
I miss my baby and the good funI fought the law and the law won
I fought the law and the law won
彼女が、あの楽しい時間が恋しい
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
I left my baby and I feel so badI guess my race is run
But she’s the best girl I’ve ever had
I fought the law and the law won
I fought the law and the law won
恋人のもとを去ってひどい気持ちさ
もうおれの運は尽きちまったんだろう
でも彼女はいままでで一番の女さ
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
おれは法と闘った 勝ったのは法だ
ザ・クラッシュの1979年のカバー。最初から彼らのために書かれたんじゃないの?というくらいぴったりはハマっている。
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