【歌詞対訳】”Nowhere Man” / The Beatles

2024年2月7日

6枚目のアルバム『ラバー・ソウル』(Rubber Soul, 1965)に収録。コーラスワークも特徴的だが、いちばん特徴的なのは歌詞だろう。こういう言葉遊びの歌詞を書かせたらジョンの右に出る者はいない。ネット上で歌詞をみるとよく誤記されているが、「ノーウェア・マン」は大文字ではなく小文字による表記である。つまり、固有名詞として特定の誰かのことを言っているわけではなく、「ちょっと君や僕に似てないかい?」とあるように、あくまで彼はどこにでもいる人として描かれている。この記事を読んでいるあなたもひょっとしたらノーウェア・マンかもしれないし、それなりに理想めいたものを胸に抱きつつ、誰のためになっているのかわかりもしない記事をこうしてせっせと書きつづっている僕もノーウェア・マンなのかもしれない。

“Nowhere Man” (Written by Lennon-McCartney)

He’s a real nowhere man

Sitting in his nowhere land

Making all his nowhere plans for nobody

「ノーウェア・マン」(ひとりぼっちのあいつ)

あいつは本物のノーウェア・マン

自分のノーウェア・ランド(どこでもない土地)に腰をおろして

誰のためでもないノーウェア・プラン(どこにもない計画)を立てている

*Doesn’t have a point of view

Knows not where he’s going to

Isn’t he a bit like you and me?

あいつは視点というものを持ってない

自分がどこに向かっているのかも知らない

ちょっと君や僕に似てないかい?

**Nowhere man, please listen

You don’t know what you’re missing

Nowhere man, the world is at your command

ノーウェア・マン、聞いてくれ

君は自分が逃しているものを知らない

ノーウェア・マン、世界は君の意のままさ

He’s as blind as he can be

Just sees what he wants to see

Nowhere man can you see me at all?

あいつはどこまでも盲目さ

ただ自分が見たいものしか見ないんだ

ノーウェア・マン、僕のことは見えてるんだろうね?

Nowhere man, don’t worry

Take your time, don’t hurry

Leave it all till somebody else lends you a hand

ノーウェア・マン、心配するなよ

ゆっくりやれ、急ぐな

ほかのだれかが手を貸してくれるまでとっておくんだな

Repeat*

Repeat**

He’s a real nowhere man

Sitting in his nowhere land

Making all his nowhere plans for nobody

Making all his nowhere plans for nobody

Making all his nowhere plans for nobody

あいつは本物のノーウェア・マン

自分のノーウェア・ランドに腰をおろして

誰のためでもないノーウェア・プランを立てている