【歌詞対訳】”Marlene on the Wall” / Suzanne Vega

2024年2月7日

デビュー・アルバム『街角の詩』(Suzanne Vega, 1985)に収録。スザンヌ・ヴェガも学生時代によく聴いたな。「ルカ」("Luka")や「トムズ・ダイナー」("Tom’s Diner")といった代表曲で知られている人だが、アメリカ人的な陽気さよりはむしろ、ヨーロッパ人的な湿っぽさや翳りを感じさせる。彼女の書く文学的かつ繊細な感受性に支えられた詞は自身のスタイルによく合っていると思う。こういう憂いを帯びた抒情というものに僕はひたすら弱い。歌い手はセックスや暴力、血の匂いのする危うい関係性を生きており、その現場を壁に貼られたマレーネ・ディートリッヒの写真の目が見ている、しかし音楽はあくまで軽やかに、ある種の爽やかささえ感じさせるものに仕上がっている。

“Marlene on the Wall" (written by Suzanne Vega)

Even if I am in love with you

All this to say, what’s it to you

Observe the blood, the rose tattoo

Of the fingerprints on me from you

「マレーネ・オン・ザ・ウォール」

たとえあなたに恋しているとして

それを口にしたところで、あなたに何の意味があるのかしら

あなたが私につけた血を、指紋の

ローズ・タトゥーをじっと見てみる

Other evidence has shown that

You and I are still alone

We skirt around the danger zone

And don’t talk about it later

いまだに私とあなた二人だけなのだと

別の証拠が示している

私たちは危険地帯の周りを歩く

でもあとになってそのことを口に出さないで

*Marlene watches from the wall

Her mocking smile says it all

She records the rise and fall

Of every soldier passing

マレーネが壁から見ている

彼女の嘲るような微笑みはすべてを物語っている

まるで通り過ぎていく兵士一人ひとりの

盛衰を記録するように

But the only soldier now is me

I’m fighting things I cannot see

I think it’s called my destiny

That I am changing

Marlene on the wall

でも今いる兵士は私だけだ

見えないものと戦っている

それは私の運命と呼べるものだと思う

私は変わりつつあるのね

壁に貼られたマレーネ

Well I walk to your house in the afternoon

By the butcher shop with the sawdust strewn

Don’t give away the goods too soon

Is what she might have told me

私は午後おがくずが散らばった肉屋のそばの

あなたの家に歩いて行く

「品物をそんなに急かして渡さないで」

それがたぶん彼女が私に言ったことだ

And I tried so hard to resist

When you held me in your handsome fist

And reminded me of the night we kissed

And why I should be leaving

あなたのその形のいい手で抱きしめられたとき

私は必死に抵抗しようとした

それは私たちがキスした夜のことや

私が去っていかなくてはならない理由を

思い出させた

Marlene watches from the wall

Her mocking smile says it all

As she records the rise and fall

Of every man who’s been here

マレーネが壁から見ている

彼女の嘲るような微笑みはすべてを物語っている

まるでここにいる男一人ひとりの

盛衰を記録するように

But the only soldier now is me

I’m fighting things I cannot see

I think it’s called my destiny

That I am changing

Marlene on the wall

でも今いる兵士は私だけだ

見えないものと戦っている

それは私の運命と呼べるものだと思う

私は変わりつつあるのね

壁に貼られたマレーネ