【歌詞対訳】”Space Oddity” / David Bowie
セカンドアルバム『スペース・オディティ』(Space Oddity, 1969)のタイトルトラック。アルバム名はほんとうは『デヴィッド・ボウイ』なのだが、デビューアルバムのタイトルも『デヴィッド・ボウイ』であり、混同を避けるためにセカンドは『スペース・オディティ』と呼ぶのが一般的(英米でアルバムタイトルやジャケット、収録曲が異なるというのはこの時代だとざらにあるわけだが、ボウイのこの件については単純にわけがわからない)。キューブリックの『2001年宇宙の旅』(2001: A Space Odyssey, 1968)を着想源とし、アポロ11号の月面着陸成功が人類史にあらたな1ページを刻んだ69年にリリースされたこのアルバムをもって、デヴィッド・ボウイは真のアーティスト人生を歩み出したかに見える。
彼の宇宙趣味は72年の傑作『ジギー・スターダスト』でひとつの頂点に達する。エルトン・ジョンの「ロケット・マン」とかザ・ポリスの「ウォーキング・オン・ザ・ムーン」とか曲単位では宇宙をテーマにしたものはあっても、人類を滅亡の危機から救うために宇宙からやってきたロックスターという奇抜なアイデアをコンセプトアルバムにまで昇華させてしまったのはボウイの功績である。自身のペルソナであるジギー・スターダストの陰にかくれがちだが、この「スペース・オディティ」に出てくるトム少佐もまたボウイが創造した忘れがたいキャラクターのうちのひとりに入るだろう。というのはカウントダウンとともに宇宙に飛び出していき、孤独のなかにひとり身を漂わせるこの男がのちにある曲で衝撃的な再登場を果たすからなのだが……。
“Space Oddity" (written by David Bowie)Ground Control to Major Tom
Ground Control to Major Tom
Take your protein pills and put your helmet on
Ground Control to Major Tom
Commencing countdown, engines on
Check ignition and may God’s love be with you
「スペース・オディティ」
地上管制からトム少佐へ
地上管制からトム少佐へ
プロテイン・ピルを服用しヘルメットを装着せよ
地上管制からトム少佐へ
カウントダウンを開始する、エンジン始動
点火装置確認、神の愛とともにあらんことを
This is Ground Control to Major TomYou’ve really made the grade
And the papers want to know whose shirts you wear
Now it’s time to leave the capsule if you dare
This is Major Tom to Ground Control
I’m stepping through the door
And I’m floating in a most peculiar way
And the stars look very different today
こちら地上管制からトム少佐へ
本当によくやってくれた*
新聞各社は君がどこのシャツを着ているのかまで知りたがっている
さあカプセルを離れる時間だ、その勇気があればだが
こちらトム少佐から地上管制へ
いまドアを抜けて
かなり変な感じで漂っています
今日は星がいつもとずいぶんちがって見えます
*make the grade「目的を達成する、成功する」
For here, am I sitting in a tin canFar, above the world
Planet Earth is blue
And there’s nothing I can do
ここに、私はブリキ缶のなかに座っている
かなたから世界を見おろしている
地球は青い
私にできることはなにもない
Though I’m past one hundred thousand milesI’m feeling very still
And I think my spaceship knows which way to go
Tell my wife I love her very much, she knows
10万マイルを過ぎたというのに*
私は非常に穏やかな気分だ
私の宇宙船はどっちへ行ったらいいのかちゃんとわかっているらしい
妻に愛していると伝えてやってください、わかってるだろうけど
*1マイルは約1,609mなので、10万マイルだとおよそ16万km。地上から月までの距離は約38万kmであり、最後のヴァースでトム少佐は月に到達していることを考えると("Far, above the moon")、このあと彼は22万kmほど移動するあいだに地上との通信が途切れてしまったものと推測できる。現実のアポロ11号だと、地球を出発してから月に到達するまでに要した時間は約4日であるらしい。
Ground Control to Major TomYour circuit’s dead, there’s something wrong
Can you hear me, Major Tom?
Can you hear me, Major Tom?
Can you hear me, Major Tom?
Can you-
地上管制からトム少佐へ
回線が途絶えた、問題発生
聞こえるか、トム少佐?
聞こえるか、トム少佐?
聞こえるか、トム少佐?
聞こえ―
Here, am I floating 'round my tin canFar, above the moon
Planet Earth is blue
And there’s nothing I can do
ここで、私はブリキ缶の周りを漂っている*
かなたから月を見おろしている
地球は青い
私にできることはなにもない
*前のヴァースの最後で途切れたCan you-は"hear"(聞こえる)につながるわけだが、それと重なるように同音の"here"(ここで)で始まっている。







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