【歌詞対訳】”Chelsea Hotel #2″ / Leonard Cohen
4枚目のアルバム『ニュー・スキン・フォー・ジ・オールド・セレモニー』(New Skin for the Old Ceremony, 1974)に収録。ニューヨーク・マンハッタンにあるチェルシー・ホテルでのゆきずりの関係をえがいた歌だが、このホテルはコーエンを含め数々の文化人たちが長期滞在していたことでよく知られている。コーエン自身が語っているところだと相手はあのジャニス・ジョプリン(!)。しかし後年、こうしたことを歌にしてしまった自らの軽率さを申し訳なく思っていたそうだ(だったら最初から発表しなければいいのに……)。
全共闘世代の男女4人がかつての自分たちをふり返り、情事に身をまかせていく映画『身も心も』(1997)にもこの歌がちらっと出てくる。物語の内容を考えればなんとも絶妙なチョイスだと思う。ラナ・デル・レイによるカバーもあるのでいっしょに紹介しておこう。
“Chelsea Hotel #2” (written by Leonard Cohen)I remember you well in the Chelsea Hotel
You were talking so brave and so sweet
Giving me head on the unmade bed
While the limousines wait in the street
Those were the reasons, that was New York
We were running for the money and the flesh
And that was called love for the workers in song
Probably still is for those of them left
「チェルシーホテル#2」
チェルシー・ホテルにいた君のことはよく覚えている
君はとても大胆に、とてもやさしく話していたね
メイクされていないベッドの上で口でしてくれた*
通りではリムジンが待っている
それが理由だったんだ、それがニューヨークだった
僕たちは金と体のために駆けまわっていた
それが歌で働くものたちにとっては愛と呼ばれるものだった
残ったものたちにはおそらくいまでもそうだろう
*give O head「(人)にオーラルセックスをする」
Now but you got away, didn’t you babe?You just turned your back on the crowd
You got away, I never once heard you say
I need you, I don’t need you
I need you, I don’t need you
And all of that jiving around
けれど君は出ていった、そうだろうベイブ?
君は群衆に背を向けたんだ
君は出ていった、かつて君がこう言うのを聞いたことがない
あなたが必要なの、あなたなんか必要じゃないの
あなたが必要なの、あなたなんか必要じゃないの……
そういうことは至るところでスウィングにあわせて踊っている
And I remember you well in the Chelsea HotelYou were famous, your heart was a legend
You told me again, you preferred handsome men
But for me you would make an exception
And clenching your fist for the ones like us
Who are oppressed by the figures of beauty
You fixed yourself, you said, “Well, never mind
We are ugly but we have the music"
チェルシー・ホテルにいた君のことはよく覚えている
君は有名人だった、君の心はひとつの伝説だった
君はもういちど言ったね、私はハンサムな男が好きなのだと
でも僕には君が例外をつくっているように思えた
そして僕たちのような者たちのためにかたく拳をにぎっていた
美しい姿かたちに苦しめられる者たちのために
君は身なりを整えて、言った「ねえ、私たちは醜いけど
気にすることなんかないわ、音楽があるじゃない」
And then you got away didn’t you baby?You just turned your back on the crowd
You got away I never once heard you say
I need you, I don’t need you
I need you, I don’t need you
And all of that jiving around
それから君は出ていった、そうだろうベイブ?
君は群衆に背を向けたんだ
君は出ていった、かつて君がこう言うのを聞いたことがない
あなたが必要なの、あなたなんか必要じゃないの
あなたが必要なの、あなたなんか必要じゃないの……
そういうことは至るところでスウィングにあわせて踊っている
I don’t mean to suggest that I loved you the bestI can’t keep track of each fallen robin
I remember you well in the Chelsea Hotel
That’s all, I don’t even think of you that often
君をいちばん愛したなどとほのめかすつもりはない
すべての地に落ちたコマドリを思いつづけるわけにはいかないんだ
チェルシー・ホテルにいた君のことはよく覚えている
それだけさ、君のことはそんなにしょっちゅう考えもしない
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